こどもの絵からこどもの心を探る-高森俊先生
息子4才の夏に、こどもの絵を分析する専門家の先生とお会いする機会がありました。
会場でこどもたちが自由に絵を描いて、ひと家族ずつ順番に先生と懇談をしていくイベントに参加したのでした。
0才児からすでに分析可能みたいで、会場では乳児から小学生まで一緒に絵を描きました。
大人も描いても良くて、大人が描いたぶんも先生は見てくれました。
高森俊先生は、80代半ばの優しいおじいさんでした。
会場は冷房も無く、温度計を見たら32度でしたが先生は講演も長時間に及ぶ懇談もパワフルにこなしておられました。
息子は延々と絵を描いていて、参加者の中でも最多の20枚の絵を仕上げました。
息子は、私とだんなにも絵を描いてくれと指示してきました。
描いた順は、左上から下に向かって並べてあります。
息子は会場で知り合った小学生の男の子にずっと付いて回っていて、高森先生のところに連れて行こうとしたら大暴れしました。
それを見た保育の先生が息子のことを見ていてくれると言ってくださったので、お任せしてだんなと私だけで高森先生とお話してきました。
高森先生は息子本人を見ていないのに絵を見ただけでどんな子かいきなり言い当ててしまいました。
ものすごく意欲がある子だね。
…こりゃ、わがまま言い出したら聞かなそうでもあるな(笑)
会場での荒れ具合を見ていた他の先生もこの分析にうなずいていました。
先生は、絵の雰囲気や線の太さなど様々な点から分析されているようです。
さらに細かく分析すると、息子は最初から自分を出していくのが苦手みたいです。
最初のほうに描いた絵には堅さがあるそうです。
枚数を重ねるうちにだんだん自由さが出てきていて、最後の1枚は溜め込んでいた気持ちが爆発していて実に良いとのことでした。
当時は幼稚園に通い始めて4か月程度の時期だったのですが「幼稚園で良い子を演じようとして無理をしている部分があるんじゃないかな?」と先生はおっしゃいました。
私は息子を幼稚園に連れて行くのに必死で、そんなことは考えたこともなかったので気付かせてもらって感謝しています。
ちなみに私が息子に描けと言われた花の絵の分析結果は…
お母さんはまじめだね。
家族を明るく盛り上げているんだね。
2枚しか描いてないのに怖いくらい当ててくれました。その会場を含めて外ではおとなしくしていますが、家でバカみたいなことをしているのが先生にはバレているんでしょうね。家では若手芸人のように体も張ってます。冷ややかな反応されても良いんです。
だんなは息子にハートの絵を描かされていましたが…
お父さんはお気楽!
うんうん、とってもいいね!
だんなは自分でまじめに生きているつもりなので「えっ!?息子にハートを描けって言われたから描いただけなんです!」と訴えていました。
先生は何を描いたかだけじゃなくていろんな観点からお見通しですからね。
私が花の絵を描いた時は、茎を何本も並べてから花の部分を描きました。
それを見た後に息子が描いた絵が、私の絵を真似た感じになってしまいました。正確に分析していただくためにそれもあらかじめ高森先生に伝えました。
普段私が息子にああしろこうしろと指示をすることが多いので、息子は絵の描き方も私の真似しないといけないと思って従ってしまったのだろうかと質問をしました。
先生は、
真似するのはお母さんのことが好きだからですよ。
と。
全く想定していなかった回答に、じわっと来ました。気持ちが救われました。
その後、ことあるごとに高森先生がおっしゃっていた言葉を思い出します。
息子は現在、サッカーと英語を習っていますが、どちらも本人のやる気あってのものです。
ピアノもそろばんも習いたいと言うのですが、私の手が回りきりません。お友達の影響でスイミングも行きたいと言ってます。
ますますすごい意欲の持ち主になってます。
何かをやりたがってしつこく交渉してくる時の彼のコードネームは"すごい意欲"です。
あと、専門家でなくてもこどもの絵を理解するポイントを、講演で例を見せてもらいながら教えていただきました。
のびのびした気持ちで描かれた絵は、見てみて気持ちが良い感じがします。
恐怖を感じていたり寂しい気持ちで描かれた絵は、気味悪く感じます。
そう言われると、息子が幼稚園で描いた私の似顔絵が不気味だったのが気になりますが…
母の日の展示用のやつです。
あごの下のものはヒゲだそうです。
先生は持ち込みでも分析してくださるそうなので、この絵も見てもらえば良かったなぁと思っています。
イベントで先生の偉大さを実感したので、著書もチェックしました。
図書館で以下2冊を借りて読みました。
親からの指図を多く受けている子は色づかいが多くなる傾向があるとも書かれてました!
母の日くらいの時期には幼稚園に連れて行くのに毎朝乱闘状態だったので、私に対する不満が満ちていたんだろうなぁと思いました。