駄菓子屋さん・くじ屋さん・なんか屋さん-食品添加物の話、そして焼き菓子屋さんの話
こどもの頃に駄菓子屋さんによく行きました。
当時は実家の近くに何軒もあって、学校が終わると友達と「今日は◯◯行こう!」(◯◯は駄菓子屋さんの苗字。敬称の"さん"がつく店もあれば呼びすての店もありました)と、気分によってお店を選べるという恵まれた駄菓子屋ライフを送りました。
母の実家は同じ市内でも違う校区なので、その校区内にある駄菓子屋さんに行くのも楽しみでした。普段友達とは行けないお店、という特別感がありました。
そこには週末に妹や従姉妹たちと行きました。そして私はその"伊藤さん"という駄菓子屋さんがいちばん好きでした。
伊藤さんの家は、道路に面した廊下をお店スペースにしてやっていました。ガラスの掃き出し窓がお店の扉です。
床面には駄菓子がびっしり並べられていて、壁面にはスーパーボールや鈴などのくじの商品が掛けられていました。
そう、伊藤さんはくじのおもちゃやお菓子を他の駄菓子屋さんよりも多く取り扱っていたのです!
くじ屋さんと呼ばれることもありましたし、私の親世代以上の人たちは"なんか屋"と呼んでいました。
ガムやウエハースのくじは毎回のようにしました。当たるとガムのつめあわせや大きなウエハースがもらえます。値段も1回10円とか20円とかでした。
個包装されてないお菓子もたくさんありましたが、当時はそれも普通でした。
袋に入ったアニメキャラクターのマグネットもよく買いました。プリズム仕様のマグネットが当たるとうれしいんですよね。
1回の訪問につき100円とか200円のおこづかいをやりくりして使い切るのを、優しいおじいさんが静かに見守ってくれているのでした。
戦争で片手の指を失ったといううわさで、こどもたちが買ったものをもう片方の手でビニール袋にまとめて入れてくれていたのも印象的でした。
駄菓子屋さんをやりたかった
私は自宅で整体の店をやっていますが、実は駄菓子屋さんもやってみたかったです。
今は、やりたいという気持ちがありません。
理由は、ほとんどの駄菓子を進んで食べたいと思わなくなったからです。駄菓子の添加物が気になっているからです。
今までは食品添加物についてはあまり気にせずに生きてきました。
去年の夏に買った菓子パンの原材料を何気なく見たら、カタカナ表記の添加物の名前が延々と並んでいて原材料欄の半分以上を占めていたのを見て気持ち悪く感じたのをきっかけに、添加物が少ない食品を選ぶようになりました。
食料保存のために、ある程度の添加物が必要なことは理解できますし気持ち的にも受け入れられます。
私が要らないと思うのは、着色料や光沢剤など見栄えを良くするものです。着色料では、合成着色料が減ってきていて食用植物由来のものが増えてきているので、そういうのはうれしい傾向です。
光沢剤を使っていない柿の種チョコなども出てきました。
香料も、例えば果物の香料だったら果物そのものを原料として抽出して作られているものは許せますが、化学合成による全くの人工物だったらだまされているようで悔しいです。
話を駄菓子に戻します。駄菓子はこども向けという性格や値段を抑えるために、見栄え重視の安価な添加物が使われがちです。
今も私は食べたくなったら駄菓子を食べますし、息子が食べたいと言えばダメとも言いません。でも、こどもたちに商品として売ることはしたくないと思いました。
知り合いのお母さんが始めたお菓子やさん
幼稚園で知り合ったひとりのお母さんが、自宅で焼き菓子屋さんを始めました。
先日、平日の幼稚園上がりに息子を連れて行ったのですが、近所の小学生が頻繁に出入りしてお菓子を買っていく光景を目にしました。親と一緒じゃなくてこどもだけでです。
初めてお店に入ると、こどもでも買いやすい値段のお菓子が並んでいました。
お菓子の見た目もとってもかわいいんです。
手作りだから、入れるものも自分でコントロールできます。
売っているものはおしゃれですが、昔の駄菓子屋さん的要素も持ち合わせている素敵なお店だと思いました。
私はお菓子作りはできないのでお菓子のお店はやりませんが、同じ地域にそういうあたたかい気持ちになれるお店ができてうれしいです。
整体の店に子連れで来てくれた人に、スーパーボールくじのサービスを取り入れるのはできるかなと思いました。